タイマーが有効な子
Sくんは、入学前から
「行動がおそい」子だったらしい。
ワンテンポどころじゃない。
体育の移動で廊下に並ぶとき、他の子が並び終わっているのにSくんはようやく体育帽子をかぶりはじめる。
他の子がノートに課題を書き終わるころ、ようやくノートを出す。
そんな感じ。
でも、Sくんは1度だけこう言って泣いたことがある。
「みんな、遅い遅いって言う…」
確かにらSくんは遅い。
でも、彼にとっては、自分でもどうして遅くなってしまうかがわからないし、どうやれば早くできるのかもわからない。
なのに、友だちに「早くして!遅い!」と言われる。
それが、涙が出るほど悲しいのだ。
昨日、できないことを怒ってできるようにするのって…と書いた。
Sくんの場合も、同じだなと思った。
じゃあどうすればいいのか。
彼の姿を見ていると、時間の感覚が人とは少しズレているように感じた。
言い換えると、究極のマイペース。
周りのことは、関係ないぜって感じ。
自分のこと以外に意識をむけるのが難しいと言えばいいのかな。
色々ためしてきたが、
今回は「タイマー」が有効だった。
そして、飽きっぽいので、「区切る」ようにした。
「〇問目まで、3分以内でやっといで。よーいどん!」と言って、でかめの見やすいタイマーを目に付くところに置く。
(もちろん、3分以内でできるであろう量を提示する)
これの繰り返し。
疲れたら休憩タイムを取る。
驚くぐらいのスピードで、どんどん問題を解いていくSくん。
・時間の経過が目に見える形でわかったこと
・ゲーム感覚で取り組めたこと
(時間オーバーしたら、給食は先生がもらっちゃうよ♪(冗談)などのペナルティを出した)
この二つがハマったものと思われる。
今日ちょっと失敗したのは、価値付けをきちんとできなかったこと。
集中してやる→終わる→いい気持ち!
この価値を落とし込むことで、
タイマーが使えないときも機能させることができるのではないか。
続けて検証したい。
なんだか、私も穏やかな気持ち。